「自然に任せる」の、その先へ。

2017年、山形県遊佐町に移住してから、
私たちは長年眠っていた耕作放棄地を、
自分たちの手で開墾することから始めました。

農薬や化学肥料を使わない、
「自然栽培」を出発点として。

できるだけ人の手を加えず、
野菜が本来持っている力を信じること。
それは、今も変わらず、
私たちの農業のいちばん深いところにあります。

けれどこの土地の土と、
日々、真っ直ぐに向き合い続ける中で、
私たちは一つの現実に辿り着きました。

土の中には本来、
草木や虫たちの命を微生物が分解し、
次の命へと受け渡していく、
目には見えない豊かな循環があります。

しかし、冬が長く、
地温の上がりにくいこの山形の地では、
微生物や菌が活発に働ける時間は限られている。

そのためただ自然に任せるだけでは、
土の力が戻るまでに、
あまりにも長い時間が
かかってしまうのです。

その事実を前にして、
私たちは立ち止まるのではなく、
一歩、踏み込むことを選びました。

自然をコントロールするためではなく、
土の中で止まりかけていた
命の時計をもう一度動かすために。

人の手で土を整え、空気を通し、
里山の竹を循環の種として土へ還す。

それは、
自然栽培という思想を大切に抱えたまま、
人が命の流れに関わり、
共に歩むための「循環の設計」です。

収穫という結果だけを見るのではなく、
その前後にある、
分解と再生の時間に目を向けること。

自然に任せきる強さと、
人が関わることの責任。

その両方が重なり合う場所で、
次の世代へと手渡せる、
嘘のない循環を形にしていく。

それが、私たちがたどり着いた
「まえむき。farm」の農業です。

 今日のまえむき。

今月のお野菜

2021-09-02

野菜のごはんレシピ

2024-08-12

Instagram